2019年3月5日、マツダスタジアム。
2019年ペナントレースの開幕カードである広島vs巨人の一戦は、もう一つの注目ポイントがありました。
FAで広島カープから巨人へ移籍した丸佳浩選手が、移籍してから初めてマツダスタジアムに足を運ぶ日でした。
丸佳浩選手が巨人への移籍を発表して以来、実家の床屋さんにカミソリが送られたり、メルカリでカープ時代のユニフォームが売りさばかれていたり、Twitterでは罵声が飛んだり…。
マツダスタジアムの広島カープファンは容赦ないブーイングを飛ばすだろうと思っていましたが…。
丸佳浩スタメン発表でカープファンからも拍手が
試合開始前に、まず両チームのスタメン発表がされます。
「一番、セカンド、吉川尚輝、背番号0」
そして次は丸佳浩選手…。
緊張感が漂いましたね…。
「二番、センター、丸、背番号8」
ブーイングが飛ぶるのでは…?!
と予想していましたが…、何と!まばらではありますが拍手が聞こえる…!
少なくともブーイングは聞こえませんでした。
少なからずブーイングが起こるだろうと、カープファンを誤解していた自分が情けなくなるような光景ですね。
「まるー!」
「頑張れ!」
という声も聞こえます。
カープファン、素晴らしいです!
丸佳浩を拍手で打席に迎え入れるカープファン
スタメン発表の時は拍手でしたが、丸佳浩選手が打席に入る時のコールで、ブーイングが飛ぶのでは…?
と思っていましたが…。
カープファン…温かいですね。
ホントに自分が恥ずかしくなるくらいです。
カープファンは丸佳浩選手を拍手で打席に迎え入れましたね!
恐らくカープファンだと思いますが、
「まる!」
「まるー!」
と名前を呼ぶ声すら聞こえます。
「新井さん」こと新井貴浩さんが阪神に移籍した時のことを知っていましたから、この拍手での出迎えは予想が付きませんでした…。
試合前練習でも、カープファンが丸佳浩選手に手を振ったり、丸佳浩選手が一礼すると歓声が上がったり…。
「丸!まるー!」
「頑張れ~!」
「いや、頑張れ言うたらいけんじゃろ」
「丸、打つなよ!(笑)」
いやぁ、素晴らしい光景です。
新井貴浩と丸佳浩のFA移籍の違いは?
新井貴浩さんが阪神タイガースにFAで移籍したのは、2007年オフでした。
そして、ご存知の通り丸佳浩選手がFAで巨人に移籍したのは、2018年オフ。
2007年当時の広島カープはBクラスの常連で、やっと育った選手をFAで他球団に持っていかれて弱くなる…の繰り返しでした。
金本知憲さんにはブーイングはありませんでしたが、新井貴浩さんの人柄からブーイングをしても大丈夫だろうと思ったカープファンも多いと思います。
じゃあ、人柄やキャラクターが違うから、丸佳浩選手にもブーイングをしなかったのか?
私は違うと思います。
2019年現在の広島カープは、球団史上初のセ・リーグ3連覇を果たしていて、もうすでに王者としての風格すら漂っています。
それはカープファンも同じなのではないかなと思います。
「FAで選手が抜けてもカープは強い」
「また新しい選手が出てくる」
という確固たる自信があるのでしょう。
だから、丸佳浩選手を拍手で迎え入れるだけの余裕があるんだと思います。
球団が強ければ、ファンの心にも余裕が生まれるのだろうと、2019年3月5日、マツダスタジアムでのカープファンの丸佳浩選手に対する反応を見て感じました。
→ 広島カープの歴代背番号5の選手は?長野久義が背番号5を選択
丸佳浩が三振すると一番の歓声が
丸佳浩選手の第1打席、拍手で迎え入れたカープファン。
空振り三振を喫したら一番の歓声が上がりました!
1球目、空振りで歓声。
2球目、空振りで歓声。
3球目、空振り三振で大歓声。
これでいいんです。
丸佳浩選手に対する広島カープファンの一連の対応に、感動すら覚えました。
やっぱり野球ってイイですね!