申告敬遠という新ルールが、2018年からプロ野球、大学野球、社会人野球で導入されるようですね。
敬遠というルールはご存知だと思います。
例えば、9回裏、3-2で守備側がリードしていて、2アウトで2、3塁、絶好調の4番バッターに打順が回ったとします。
守備側チームは、4番との勝負を避けて、5番バッターと勝負する際、キャッチャーが立ち上がって、明らかなボール球を4球投げて四球を与えて、2アウト満塁で5番バッターと勝負します。
これが敬遠で、正式名称は「故意四球」と呼ばれています。
では、申告敬遠とは何なの?と疑問に思いますよね。
アメリカメジャーリーグでは、一足早く2017年から導入されているようで、申告敬遠を経験したイチロー選手は苦言を呈していましたが、田中将大投手はどちらかと言えば歓迎のコメントをしていました。
このページでは、申告敬遠とはどうやって成立するものなのか、申告敬遠のルールを導入することで、消えるドラマ、生まれる可能性が出てくる珍記録について考察してみましたので、楽しんでいって下さいね!
もくじ
申告敬遠とは?試合中どのように成立させるの?
日本プロ野球でも2018年から申告敬遠が導入されますね。
メジャーリーグでは2017年から申告敬遠が導入されています。時間短縮が目的だったようですが、前年比で平均試合時間は4分29秒長くなったようです。
メジャーリーグで採用されたということは、国際試合でも導入される可能性が高いので、日本プロ野球でも採用するということですね。
では、試合中に実際に申告敬遠を成立させるにはどのような動きが必要なのでしょうか?
・投手や捕手が審判に言う?
・監督がベンチから出て審判に言いに行く?
実際に、オープン戦で申告敬遠があったようですので、監督や選手のコメントも含めて見ていきましょう。
2月25日のヤクルトvs日本ハムで、日本ハムが申告敬遠を使ったようです。
3-3の同点で9回裏2アウト、ランナー2塁で、ヤクルトが代打で大村孟選手を起用すると、日本ハムの栗山英樹監督がベンチを出て球審を呼んで、4本の指で「4」のポーズで申告敬遠の意思を伝達しました。
要は、守備側の監督が判断して、審判に申告敬遠の意思を伝えると成立するようですね。
栗山監督
「リズムが違うが経験していくしかない。」
(マウンドに居た)白村明弘投手
「貴重な経験が出来た。」
大村孟選手
「びっくりしました。焦りますよ。」
山崎晃大朗選手(次の打者)
「準備時間が無かった。気持ち的に差された。」
オープン戦とはいえ、日本での申告敬遠の採用の第1号ということで、まだ戸惑いの声が多いようですね。
また申告敬遠は、カウント0-0でないと採用できないわけではなく、「2ボール、ノーストライク」など、カウントが進んでいる状況からでも、監督が審判に意思を伝えれば、申告敬遠を使うことができるようです。
また、スタンドから見ているファンにとっても、申告敬遠の状況は分かりにくいようですので、球場のアナウンスさんが「申告敬遠が採用された」という旨がアナウンスされるようです。
監督や選手、ファンにとっても、申告敬遠に徐々に慣れていくしかないですね。
申告敬遠を経験したイチローとマー君のコメント
申告敬遠はメジャーリーグでは2017年から採用されています。それを受けて、日本プロ野球でも採用ということなのでしょう。
メジャーリーグで申告敬遠を一足先に経験したイチロー選手と、田中将大投手のコメントは以下です。
イチロー選手
「戻さないと駄目。4球の間に空気感がある。面白くない。」
田中将大投手
「軽く投げた後のスイッチの入れ直しをしなくてよくなる。」
「敬遠でゆるく投げるのが苦手な投手もいる。」
田中将大投手は、投手にとっては悪くないルールとの感触を持っているようですが、醍醐味やドラマ性が無くなることにもコメントしているようです。
イチロー選手に関しては、完全反対の意見なんですね。
私個人的にも、う~ん…反対かなぁ。
私が大好きだった松井秀喜さんが、プロ野球で敬遠される時に4つのボール球を見送る姿は、雄々しく感じたものですがねぇ。もちろん「敬遠しないで勝負しろよ!」と思っていましたが。
それを見つめる次の打者が、気持ちを高める時間も必要だと思いますけどね~。
申告敬遠が採用されることで無くなるドラマ
申告敬遠が採用されることによって、無くなるドラマはありますよね。
プロ野球ファンなら思いつくのは、1999年、阪神タイガースの新庄剛志さんの敬遠球をサヨナラヒットにしたシーンですよね。投手は巨人の槇原博己さんだったと記憶しています。敬遠をすると分かり切っている甘いストレートのボール球を、左足をグッと踏み込んで、レフト前にサヨナラヒットを放ちました。
2017年にもヤクルトスワローズのジョシュ・ルーキ投手が、捕手を立たせての敬遠の時に暴投をしてしまい、3塁ランナーが生還して決勝点を献上するというシーンもありましたね。
先ほど紹介した田中将大投手のコメントにもあるように、実際には敬遠の投球が苦手な投手も居るようですからね。
また、ドラマとは違いますが、敬遠されるバッターの次のバッターは、敬遠の四球を見ながら気持ちを高めていくものなのですが、あっさりと申告敬遠されてしまうと「え?もう俺?」という風になるでしょうね。
こういった状況の変化は、選手もファンも徐々に慣れていくしかないですね。
申告敬遠採用で生まれる珍記録
申告敬遠が採用されることで、今までに無かった珍記録が生まれる可能性があります。
それは…【球数「0(ゼロ)」で敗戦投手】です。
この珍記録が生まれることが想定される状況が、どういったものかを見ていきましょう。
〇チームと●チームの試合で、〇チームが1-0でリードしている9回裏、●チームの攻撃。
先発A投手がスリーベースヒットを打たれて、ノーアウト、ランナー3塁。
ここでB投手に交代したとします。●チームは代打の切り札を出したとしましょう。
〇チームの監督が申告敬遠を審判に告げ、B投手は1球も投げずに敬遠をしますので、ノーアウト、ランナー1・3塁。
B投手は「球数0(ゼロ)」で、サヨナラのランナーを出したということになります。
そして、●チームの次の打者に対して、〇チームは非常に相性のいいC投手と交代します。
交代したC投手が、サヨナラホームランを打たれたとしましょう。
すると…、負け投手は、B投手なんです!
A投手が出した3塁ランナーは同点のランナー、B投手が申告敬遠で出した1塁ランナーが決勝点の2点目になるランナーですから、B投手は【球数「0(ゼロ)」で敗戦投手】となります。
この珍記録が生まれる日がいつになるのか?
第1号の投手は誰になるのか?
ある意味、楽しみですね!
脇谷亮太の現役最終打席が申告敬遠?
申告敬遠にまつわる珍記録が、2018年9月28日に生まれました。
この日のファームでの公式戦の巨人vs日本ハムで、引退を発表していた巨人の脇谷亮太選手が、9回裏、1アウト2塁、4-4の同点の場面で代打で登場し、これが現役最終打席でした。
ところが、日本ハムベンチがとった策は申告敬遠!
一軍ではなくファームでの公式戦ながら、現役最終打席が申告敬遠という珍記録が生まれることになりました!
…と思っていましたが、10月6日に開催された「ファーム日本選手権」での阪神戦の9回で代打で出場し、ファーストゴロで現役最後の打席を終えました。
珍記録が生まれた瞬間かと思いましたが、そうでは無かったようですね!
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→ プロ野球のホールドが付く条件や意味は?ホールドの記録は?
→ FAランクとは?人的補償やプロテクトなどの用語を徹底解説
まとめ
2018年から日本プロ野球で採用される新ルール、申告敬遠がすごく気になりました。
なので、申告敬遠とはどうやって成立するものなのか、申告敬遠のルールを導入することで、消えるドラマ、生まれる可能性が出てくる珍記録について紹介しました。
生まれる珍記録は、他にもあるかもしれませんので、思いついたら追記していきますので、楽しみにして下さいね!