プロ野球を見ていますと、審判が「この試合は警告試合とします」とマイクで発表することがありますよね。
警告試合になる時って、たいていの場合は、死球があってバッターが激高して、両チームのベンチから選手やスタッフが出てきて、むみくちゃになって…のような状況の後に警告試合になることが多いですよね。
そんな状況で、審判から「警告試合」の宣告があると、ファンとしては「そりゃ、これだけ両チームがもみ合いになったら、警告試合になるよなぁ」と思うのですが、「…で、警告試合って…どうなるの?」とも思うんですよね。
審判が「警告試合」って宣告するくらいだから、「もう乱闘するなよ」っていう意味なのでしょうけど、警告試合のハッキリした意味、宣告された後どうなるか、などはよく分かりませんよね。
このページでは、警告試合とはどういう意味なのか、警告試合を宣告されたらその後の試合はどうなるのかを紹介するとともに、警告試合を宣告された代表的な試合を紹介しますので、楽しんでいってくださいね!
警告試合とは?警告試合の意味は?
プロ野球での「乱闘」は一つの風物詩でもありました。
ところが時代は変わり、プロ野球選手たるものは子どもたちに夢を与えるものなので、試合中でもそれ以外でも振る舞いには気を付けなければならない、といった風潮が、プロ野球選手だけに限らず、人前に出る職業の人たちに求められるようになりました。
なので、乱闘や報復行為などに対する罰と言いましょうか、それらが起こらないように対処する措置と言いましょうか。
警告試合とは、そういうものです。
…って、全然説明になっていないですよね。
では、状況を追って説明しますね。
例えば、Aチームのa投手が、Bチームのb選手に死球を与えたとします。そして、b選手が激高してa投手に歩み寄っていったところを、両チームベンチから選手が飛び出してきて、止めたとしましょう。
それでも、両チームに不穏な空気が流れます。
この後、この試合の中で起こり得る出来事と言えば、Bチームの投手が、Aチームの選手に報復死球を与えることですよね。
そうなると、かなりの確率で乱闘になり、選手が怪我をしてしまうかもしれません。
こうなることを未然に防ぐ措置が「警告試合」の宣告なのです。
警告試合が宣告されると、その試合はどうなるかと言いますと、死球や危険なスライディングのような報復行為、怪我をさせてしまうかもしれない危険なプレーをした選手と、そのチームの監督を退場させるようになるんですね。
プロ野球の試合が、ただの争いごと、喧嘩になってしまうことを防ぐための措置が、警告試合の宣告なのです。
警告試合を宣告されても「自身や監督が退場になってもいいから、報復行為をする!」なんていう考えを持っている人は、プロ野球選手にはなれませんから、警告試合の宣告を受けた後は、不穏な空気こそ流れていますが、試合は順調に進むことが多いですね。
警告試合の事例1【オリ塚原が1イニングに3死球】
2015年5月8日に京セラドーム大阪で行われたオリックスバファローズ vs 日本ハムファイターズが警告試合を宣告されました。
8-3で日本ハムがリードする試合展開での9回表、オリックスの塚原頌平投手が、4番中田翔選手、6番大野奨太捕手、8番岡大海選手の3選手に死球を与えたことがきっかけで、日本ハムのベンチから選手とコーチが飛び出し、オリックスベンチからも選手らが出ていき、乱闘にこそなりませんでしたが、騒ぎが収まってから、審判が警告試合を宣告しました。
考えられるのは、9回裏のオリックスの攻撃時に、報復死球がされる可能性が高いからです。
試合は8-3ということで、ほぼ日本ハムの勝利は決まっていますから、1回くらいの与死球なら痛くはないですからね。
それを未然に防ぐために、審判の適切な措置(警告試合)を取ったということですね。
警告試合の事例2【會澤2打席連続死球】
2018年5月1日のマツダスタジアムでの広島カープ vs 読売ジャイアンツで、警告試合が宣告されました。
2回裏の広島の攻撃で、巨人の山口俊投手が會澤翼捕手に死球を与えてしまいます。
3回表の巨人の攻撃で、広島の中村祐太投手が先頭バッターのアレックス・ゲレーロ選手に死球を与えてしまいます。
この時に、ゲレーロ選手がかなり中村祐太投手を睨みつけるシーンがあり、不穏な空気が流れます…。
そして、3回裏、會澤翼捕手の第2打席で再び死球を与えてしまいます…。
山口俊投手に向かって激高しながら詰め寄る曾澤翼捕手を止めに入るために、両チームベンチから選手らを飛び出しました。
乱闘にこそならなかったものの、その後の報復行為を避けるために審判が警告試合を宣告しました。
実は、山口俊投手と會澤翼捕手には死球をめぐっての因縁があるんです。
2012年に当時横浜DeNAベイスターズに所属していた山口俊投手が、會澤翼捕手に頭部死球を与えているという過去があるんです。
この日の試合の2度の死球だけでも激高するかもしれませんが、過去に頭部死球を受けた相手ともなると…、やはり、怒りがおさまらない気持ちも分かります。
こういった因縁もあって、余計に會澤翼捕手が激高したのかもしれませんね。
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まとめ
プロ野球の試合を見ていて、荒れた試合で審判が宣告する「警告試合」について紹介しました。
その昔、「珍プレー好プレー」という特番が組まれ、その中に必ず乱闘シーンが出ていたものです。
その頃と比べれば、睨み合いや不穏な空気が漂う試合はありますが、「乱闘」というものは減りました。
ちなみに、警告試合が最初に適用されたのは、1998年8月2日の阪神-巨人戦で、バルビーノ・ガルベス投手が審判にボールを投げつけた試合です。