現代プロ野球では、先発投手が完投することが、昔に比べて減りましたね。もちろん毎試合120球以上投げる投手も居ることは居るのですが、少なくなっているのは事実です。
先日、2018年7月17日にオリックスバファローズのブランドン・ディクソン投手が完封勝利を飾りましたが、オリックスにとって2018年の82試合目で初めての「完投」だったようです。
投手の分業制が一番の理由ですよね。
・先発
・中継ぎ
・抑え
いつしか、こういう言葉が投手につけられるようになりました。
先発投手には「勝」、抑え投手には「S(セーブ)」がありましたが、中継ぎ投手に「H(ホールド)」という記録が付けられるようになったのは、2005年から現在の規定でセ・パ両リーグで始まりました。
このプロ野球のホールドですが、どのような条件で付くことになるのかって、意外と知らないですよね。
リードしていない試合で登板して、ホールドが付くことも条件を満たせばあるんです。
このページでは、プロ野球の中継ぎ投手の勲章である「H(ホールド)」が付くための条件や、ホールドという言葉の意味、ホールドの日本記録やシーズン記録について紹介しますので、楽しんでいってくださいね!
もくじ
プロ野球のホールドが付く条件は?
プロ野球の中継ぎ投手の勲章で、2005年から現在の規定になり、セ・パ両リーグで「最優秀中継ぎ投手」のタイトルが始まりましたね。
その「ホールド」が中継ぎ投手につく条件を見ていきましょう。
先に言っておきますが、こんなの覚えることなんてできませんから、あまり気負わず見てくださいね(笑)
・自分のチームの最終守備イニングの3アウト目を取っていない
・登板してアウトを最低1個は取る
・降板後、自分が記録した失点でチームが同点に追いつかれていない(もしくは逆転されていない)
この4つの条件を満たした上で、次の条件があります。
・3点以内リードで登板して1イニング以上投げる
・2連続本塁打を打たれたら同点 or 逆転される場面で登板
・リード場面で登板して3イニング以上投げる
・同点のまま失点せずに降板する
・登板している間に自分のチームが勝ち越した場合、リードを保って降板する
これが「ホールド」が付く条件です。
これって、ビシッと口頭で説明できる人なんてそうはいないと思います…。
なぜホールドっていう言葉に?ホールドの意味は?
プロ野球の中継ぎ投手の勲章と言える「ホールド」ですが、なぜ「ホールド」という単語が使われるようになったのでしょうか?
カタカナで書くと「ホールド」なのですが、英語で書くと“hold”です。
“hold”っていう英単語は見たことあると思います。
“hold”は、「抱く」「握る」という意味が思いつきますね。
ところが、中継ぎ投手が登板して、試合を「抱く」って…どういうこと?と思うかもしれません。
英単語の“hold”は他にも色々な意味がありまして、「持ちこたえる」「耐える」「~の状態のままである」という意味があります。
プロ野球の中継ぎ投手の「ホールド」は、この3つの意味から付けられたものだと思います。
ホールドとホールドポイントの違いは?
プロ野球の投手成績を見てみると、「H(ホールド)」という欄と、「HP(ホールドポイント)」という欄があります。
この2つの違いを見てみましょう。
例えば、2017年度のセ・リーグの「最優秀中継ぎ投手」のタイトルを獲得した阪神タイガースの2投手の成績を見てみましょう。
【桑原謙太朗投手】
登板:67
勝ち:4
負け:2
ホールド:39
ホールドポイント:43
防御率:1.51
【マルコス・マテオ投手】
登板:63
勝ち:7
負け:4
ホールド:36
ホールドポイント:43
防御率:2.75
ホールドの数で言えば、桑原謙太朗投手が上なのですが、この2投手の「勝ち星」は、中継ぎ登板での勝利です。
「ホールドポイント」は「勝ち数+ホールド数」なんです。
最優秀中継ぎ投手はこの「HP(ホールドポイント)」の数で決定されますので、桑原謙太朗投手とマルコス・マテオ投手の2投手が、最優秀中継ぎ投手のタイトルを分け合ったということになるんですね。
ホールドの日本記録は?通算ホールドのランキングは?
プロ野球の中継ぎ投手の勲章である「ホールド」の通算記録や日本記録について見ていきましょう。
ホールド数のシーズン記録
ホールド数のシーズン記録を見ていきましょう。
(2017年シーズン終了時点)
順位 | 選手名 | 所属 | 年 | ホールド数 |
1 | 浅尾拓也 | 中日 | 2010 | 47 |
2 | 藤川球児 | 阪神 | 2005 | 46 |
2 | 久保田智之 | 阪神 | 2007 | 46 |
4 | 浅尾拓也 | 中日 | 2011 | 45 |
4 | 増井浩俊 | 日本ハム | 2012 | 45 |
1位の浅尾拓也投手の記録は、日本記録でセ・リーグ記録で、4位の増井浩俊投手の記録は、パ・リーグ記録です。
ホールド数の通算記録
ホールド数の通算記録を見ていきましょう。
(2019年シーズン開幕時点)
順位 | 選手名 | 現所属 ※1 | 現役期間 | ホールド数 |
1 | 宮西尚生 | 日本ハム | 2008~ | 294 |
2 | 山口鉄也 | 巨人 | 2006~2018 | 273 |
3 | 浅尾拓也 | 中日 | 2007~2018 | 200 |
4 | S・マシソン | 巨人 | 2012~ ※2 | 166 |
5 | 五十嵐亮太 | ヤクルト | 1998~ | 159 ※3 |
※1
引退した投手は、最終に所属していた球団です。
※2
スコット・マシソン投手の現役期間に関しては、日本プロ野球に所属した2012年から紹介しています。
※3
五十嵐亮太投手のホールド数は日本プロ野球界のみの数で、メジャーで4ホールド挙げています。
→ Twitterうさほーこいほーさむほー等の意味は?12球団別
→ 日本プロ野球の球速歴代ランキングと最高球速の世界記録は?
まとめ
中継ぎ投手に付く「ホールド」について、ホールドが付く条件、ホールドという言葉の意味、ホールドの日本記録や通算記録について紹介しました。
2005年から制定されたホールドという記録ですから、通算記録のトップ5は、現役中継ぎ投手の錚々(そうそう)たるメンバーになりましたね!
通算記録の1位である日本ハムの宮西尚生投手は、デビューの2008年以来、2017年まで10年連続50試合登板を記録し、岩瀬仁紀投手の15年連続に届くかどうか、楽しみですね!
怪我をしない、不調期間が短い、この2条件も、プロとして非常に大切な要素ですね。