FA(フリーエージェント)宣言をして移籍をする選手が、毎年のシーズンオフに何人かいます。
その時に目にする野球用語が非常に難しくて、なんとなくの意味しか分かっていないものがたくさんありますよね。
FAランクが「Aランク」の〇〇選手をFA移籍で獲得した球団は、プロテクトしていない選手を、人的補償で〇〇選手の前所属球団に譲渡する必要があり、金銭補償の場合は、●%を前所属球団に渡す必要がある。
みたいな、なんとも難しい文章です…。
このページでは、プロ野球シーズンオフ(ストーブリーグ)で毎年話題にあがる、FA移籍にまつわる難しい用語「FAランク」「人的補償」「金銭補償」「プロテクト」などについて、なるべくわかりやすく紹介していきますので、楽しんでいってくださいね!
もくじ
FAランクとは?何が基準で決められるの?
FAランクとはどういったものなのでしょう?
シーズンオフにFA宣言をする選手の「FAランク」が「A」だとか「B」だとかが話題になりますよね。
年俸が2億だとコレ、3億ならコレ、というわけではありません。
FA宣言をした際のチーム内の旧年俸で決められます。
日本人登録選手の旧年棒の、3位までがAランク、4~10位までBランク、11位以下がCランクになります。
過去のFA移籍を例に出して見ていきましょう。
糸井嘉男のFA移籍 2016年
2016年のシーズンオフにFA宣言をして、オリックスバファローズから阪神タイガースに移籍をした糸井嘉男選手。
【 #阪神 】糸井がFA入団「キャリアハイ目指す」「監督を胴上げ」 https://t.co/y30IYLu2QG #tigers #タイガース #npb #プロ野球 pic.twitter.com/uC0mlWiy8b
— スポーツ報知 野球取材班 (@hochi_baseball) 2016年11月25日
2016年のオリックスの日本人登録選手の年俸ランキングを見てみましょう。
順位 | 選手名 | 年俸(円) |
1位 | 金子千尋 | 5億 |
2位 | 中島宏之 | 3億5000万 |
3位 | 平野佳寿 | 3億 |
4位 | 糸井嘉男 | 2億8000万 |
この時の糸井嘉男選手は、オリックスの日本人選手内で4位の年俸だったので、FAランクは「B」でしたね。
岸孝之のFA移籍 2016年
2016年のシーズンオフにFA宣言をして、西武から楽天に移籍をした岸孝之投手。
#岸孝之 投手が入団会見に臨みました。#rakuteneagles 「地元で恩返しを」 FAで楽天移籍の岸が会見:朝日新聞デジタル https://t.co/ky9YALHDRB pic.twitter.com/WHK0j4fFjD
— 朝日新聞楽天担当 (@asahi_eagles) 2016年11月18日
2016年の西武の日本人登録選手の年俸ランキングを見てみましょう。
順位 | 選手名 | 年俸(円) |
1位 | 中村剛也 | 4億1000万 |
2位 | 岸孝之 | 2億2500万 |
3位 | 栗山巧 | 2億 |
この時の岸孝之投手は、西武の日本人登録選手内で2位の年俸だったので、FAランクは「A」になりますね。
FAランクごとの人的補償と金銭補償は?
プロ野球のシーズンオフに話題になるのは、選手の年俸の契約更改と、FA権を持っている選手の動向ですよね。
FA権を保有していて、FA宣言した選手を獲得することが決まった後、その選手のFAランクによって、獲得する球団から、放出する球団に対して行うのが「補償」です。
補償には「人的補償」と「金銭補償」の2種類があります。
FAランクごとでどう違うのかをチェックしましょう。
FAランク | 補償内容 | 2度目以降のFAの補償 |
Aランク | 〇旧年俸の80%の金銭 〇プロテクト外の選手 +旧年俸の50%の金銭 |
〇旧年俸の50%の金銭 〇プロテクト外の選手 +旧年俸の25%の金銭 |
Bランク | 〇旧年俸の60%の金銭 〇プロテクト外の選手 +旧年俸の40%の金銭 |
〇旧年俸の30%の金銭 〇プロテクト外の選手 +旧年俸の20%の金銭 |
Cランク | 補償なし | 補償なし |
FAランクに対する補償は、このようになっています。
糸井嘉男選手(Bランク)のFA移籍の際、オリックスは人的補償で金田和之投手と、金銭補償(旧年俸の40%である1億1200万円)を阪神に求め、それを阪神が譲渡しました。
さらに、岸孝之投手(Aランク)のFA移籍の際、西武は人的補償を求めず、金銭補償(旧年俸の80%である1億8000万円)を楽天に求め、それを楽天が譲渡しました。
FAの人的補償のプロテクトとは?
FA移籍の際に発生する人的補償ですが、2016年の糸井嘉男選手のFA移籍の場合、オリックスは「鳥谷敬選手が欲しい」「藤浪晋太郎投手が欲しい」とは言えないんです。
これは阪神の「プロテクト」が絡んできます。
プロテクトとは、「FAで選手を獲得する側の球団が人的補償で出したくない選手28人」のことです。
この28選手以外から、FAで選手を放出する側の球団が選手を1人選べるわけですね。
プロテクトの28選手に入っていなくても、放出する側の球団が獲得できない選手は以下です。
・その年のドラフトで獲得した選手
・外国人選手(FA権取得による日本人登録選手も含む)
なので、ランディ・メッセンジャー投手や、2016年ドラフト1位の大山悠輔選手を獲得することはできないということですね。
→ FA移籍の人的補償選手の歴代一覧|活躍した選手の成績は?
→ FA宣言して残留と行使せずに残留の違い|メリットとデメリット
→ プロ野球のホールドが付く条件や意味は?ホールドの記録は?
まとめ
色々と分からないことが多いFA権の行使によるFA移籍の際に見る単語である、「FAランク」「人的補償」「金銭補償」「プロテクト」等について説明しました。
FAランクごとの補償についても紹介しました。
年俸が何億だからFAランクが「A」のように決めていると思っていましたが、そうではないんですね。
シーズンオフのFA権取得選手のFA宣言やFA移籍に注目したいですね!