2018年オフ、日本プロ野球界を揺るがせたFA移籍からの人的補償劇。
Twitterで巨人ファンの悲鳴、他球団ファンからの驚きの声が多く上がり、トレンドワードの上位を独占するほどの衝撃でした。
〇内海哲也投手が炭谷銀仁朗捕手の人的補償で西武移籍
〇長野久義選手が丸佳浩選手の人的補償で広島移籍
他球団ファンから見ても、この2選手は巨人の看板スターであり、ドラフトで巨人以外なら入団拒否を公言していて、実際に他球団の入団を拒否してから巨人に入団した選手ですから、プロテクトから外れているとは予想できませんでしたからね。
では、人的補償での移籍を拒否したらどうなるのでしょうか?
そもそも、人的補償の移籍を断る拒否権はあるのでしょうか?
2018年オフに大きな話題となったFAでの人的補償について、拒否できるかどうかについて書いていきますね。
FAでの人的補償とはどういったもの?
FA宣言をした選手を獲得した場合、獲得した球団は、獲得された側の球団に「補償」を出す必要がある場合があります。そこには、FA宣言した選手の「FAランク」というものが絡んできます。
そして「補償」も「人的補償」と「金銭補償」がありまして、さらに、人的補償で取れる選手も「プロテクト」されていない選手ということもあり、このあたりを説明すると非常に長くなってしまいます。
これらのポイントに関しては、別ページで紹介していますので、そちらをご覧くださいね。
「人的補償の拒否」に関してが気になるなら、すっ飛ばしてくださいね~。
→ FAランクとは?人的補償やプロテクトなどの用語を徹底解説
選手には人的補償の拒否権はあるの?
2018年オフ、FAでの人的補償で移籍することになったのは、以下の3選手です。
人的補償 選手名 |
移籍先 | 前所属 | FA選手 |
内海哲也 | 西武 | 巨人 | 炭谷銀仁朗 |
長野久義 | 広島 | 巨人 | 丸佳浩 |
竹安大知 | オリックス | 阪神 | 西勇輝 |
「若い奴らにはもっと巨人でプレーさせてあげて欲しい」
「俺なら仮に移籍してもすぐに馴染めると思う」
「若い奴らを外すくらいなら俺をプロテクトから外してください」内海哲也さんはそういう漢だと思う。
球団や首脳陣にそう言っていたとしか思えない。日本シリーズで対戦できる日を夢見て。 pic.twitter.com/dtTQ9RURtj
— pepe G党 -プロ野球バカ一代- (@proyakyu_baka) 2018年12月20日
今日の広島版1面は人的補償の長野選手。なぜ育成のカープが、即戦力の中堅選手を選んだのかーー。球団首脳のコメントから紐解きましたので、チェックしてみてください(カープ担当記者、河合洋介)#カープ #carp pic.twitter.com/pdZbCgqFzD
— スポニチ カープじゃけぇ (@Sponichi_Carp) 2019年1月8日
そして人的補償といえばバファローズでも竹安の入団会見がありましたね!
どでかいチャンスが眠っているチームなので!
頑張れ!期待してるぞ!#bs2019 pic.twitter.com/RwEty680yl— オーロラ (@Aurora_PGB) 2019年1月8日
FAでの移籍で人的補償が発生する場合、スター選手や実績のある選手を「プロテクト」することが多いので、若い選手を人的補償で流出することが多いのですが、今回の巨人のプロテクト28人の中に内海哲也投手と長野久義選手が入っていなかったことが、そもそもの衝撃ではありましたね。
阪神タイガースがFAで獲得した西勇輝投手の人的補償で、若い竹安大知投手がオリックスに移籍するというのが、これまでのFAの人的補償のいわゆる相場でしたから、本当に衝撃でした。
そもそも、人的補償で移籍することを「嫌だ!」「人的補償で移籍したくない!」と、ゴネて拒否する権利(拒否権)があるのでしょうか?
答えを先にお伝えしますと、人的補償の拒否権は「あります」。
ただ、「私は人的補償を拒否します」と言うには、大きなリスクが生じます。
人的補償を拒否したらどうなる?ペナルティは?
人的補償の拒否権が選手にありますが「嫌だ」と言って終わりではありません。大きなペナルティが存在します。
私の記憶が確かなら、過去に人的補償を拒否した選手は存在しません。報道で噂された選手はいましたが、NPBからペナルティを科せられていないので、人的補償を拒否した選手はいないと判断して良いでしょう。これに関しては、後述します。
では、そのペナルティと拒否された場合の対処法を見ていきましょう。
人的補償を拒否したら、その選手は【資格停止選手】となります。
資格停止選手となってしまった場合、一軍二軍を含めた公式戦だけでなく、オープン戦に出場できないだけでなく、当然ながら移籍することもできません。
資格停止選手が復帰するためには、その選手の保有権を持つ所属球団の意見書を付けた「復帰申請書」をコミッショナーに提出する必要があります。
そして、コミッショナーから復帰許可が出れば復帰することができます。
ただ、復帰しても色々な所からの風当たりは非常に強くなるでしょうね…。
あと、人的補償を拒否された球団ですが、別の選手を人的補償で選ぶことが出来なくなり、金銭補償に強制的に切り替えられます。
人的補償の拒否疑惑?岩瀬仁紀の引退覚悟の拒否?
2017年のオフ、東スポの一紙が報道した人的補償に関するニュースがありましたね。
中日ドラゴンズが、FA宣言していた日本ハムの大野奨太捕手を獲得し、その人的補償として、日本ハムが岩瀬仁紀投手を指名しました。
ですが、岩瀬仁紀投手がそれを引退覚悟で拒否し、両球団の話し合いが行われ、金銭補償に切り替えられたという話です。
東スポの話をまとめると
中日がプロテクトから岩瀬を外す
↓
日ハムが岩瀬を人的補償に指名
↓
中日フロント大慌て
↓
岩瀬本人「移籍なら現役引退する」
↓
中日が日ハムに懇願、ハムは金銭補償を選択するこれが事実なら中日フロント無能すぎる
— 秋村純子🍄 (@mura_45) 2018年1月17日
この件に関しては、東スポのみが報道していたため、「ガセネタである」という結論に落ち着くと思います。
実際に岩瀬仁紀投手が人的補償を拒否していたとしたら、先ほど紹介したペナルティが科せられることになりますから、資格停止選手となってしまい、復帰するためには相当の時間がかかることが予想されますから、事実上の引退となります。
ご存知の通り、岩瀬仁紀投手は2018年シーズンにも数々の日本記録を樹立し、シーズン終了をもって華々しく引退しましたから、この東スポの報道はガセネタと言っていいと思います。
→ 巨人2018年オフの入団選手と退団選手一覧|原監督の恐怖人事
→ FA移籍の人的補償選手の歴代一覧|活躍した選手の成績は?
→ 2019年に2000本安打は無理?現役選手の通算安打数ランキング
→ 2019年に200勝投手は?今後も無理?近い投手は日米通算のみ?
まとめ
2018年オフ、FAによる人的補償に大きな注目が集まりましたね。
長野久義選手、内海哲也投手の人的補償があまりにも衝撃でしたから、人的補償の拒否にまつわることをまとめました。
〇選手には人的補償の拒否権がある
〇拒否をすると資格停止選手となる
〇拒否された球団は金銭補償を得ることになる
野球を見ているだけだと、こんなルール知らないですもんね。
人的補償にはさまざまなドラマがありますから、移籍先での活躍に注目したいですね!